入試時期
年2回(9月、2月)
募集人数
秋季・春季あわせて30名
出願期間
秋期:2024年8月19日(月)〜8月30日(金) 消印有効
春期:2025年1月14日(火)〜2月3日(月) 消印有効
試験日
秋期:2024年9月11日(水)
春期:2025年2月15日(土)
試験科目
[秋期 一般入試]
・研究計画書審査
・学科試験(心理学、英語)
・面接
[秋期 社会人入試]
・研究計画書審査
・学科試験(心理学)
・面接
・書類審査(志望理由書、職務経歴、キャリアデザイン)
[春期 一般入試]
・研究計画書審査
・学科試験(心理学、英語)
・面接
・論文審査(過去の研究成果、卒業論文またはそれに代わる論文)
[春期 社会人入試]
・研究計画書審査
・学科試験(心理学)
・面接
・書類審査(志望理由書、職務経歴、キャリアデザイン)
提出書類
・研究計画書
・志望理由書
・(春期のみ)過去の研究成果
・(社会人のみ)キャリアデザイン・職務経歴書
・【該当者のみ・任意】外部検定加点(「心理学検定」特1級)
社会人入試
■出願資格
・一般入試の出願資格を有し、かつ下記の2条件を充足する必要がある。
(1)臨床心理士の資格取得を目指し入学を希望していること
(2)出願時点において3年以上の就業経験を有すること
※社会福祉施設、医療機関、国および地方公共団体、教育・研究機関、一般企業の就業経験(非常勤・ パートタイムは問わないが、学生時代のアルバイトは期間に含まない)
■試験科目
・心理学
・面接
合格発表日
秋期:2024年9月21日(土)
春期:2025年2月22日(土)
応募状況
■過去の入試結果
【2024年度】
~一般~
秋期:志願者数54名、合格者数32名
春期:志願者数12名、合格者数7名
~社会人~
秋期:志願者数4名、合格者数1名
春期:志願者数3名、合格者数1名
【2023年度】
~一般~
秋期:志願者数58名、合格者数34名
春期:志願者数12名、合格者数2名
~社会人~
秋期:志願者数4名、合格者数0名
春期:志願者数1名、合格者数0名
【2022年度】
~一般~
秋期:志願者数64名、合格者数34名
春期:志願者数13名、合格者数4名
~社会人~
秋期:志願者数3名、合格者数0名
春期:志願者数4名、合格者数1名
【2021年度】
~一般~
秋期:志願者数49名、合格者数26名
春期:志願者数11名、合格者数3名
~社会人~
秋期:志願者数1名、合格者数1名
春期:志願者数2名、合格者数1名
【平成31年度】
~一般~
秋期:志願者数46名、合格者数26名
春期:志願者数18名、合格者数2名
~社会人~
秋期:志願者数6名、合格者数4名
春期:志願者数1名、合格者数1名
【平成30年度】
~一般~
秋期:志願者数53名、合格者数28名
春期:志願者数10名、合格者数3名
~社会人~
秋期:志願者数6名、合格者数1名
春期:志願者数3名、合格者数2名
【平成29年度】
~一般~
秋期:志願者数49名、合格者数26名
春期:志願者数12名、合格者数5名
~社会人~
秋期:志願者数7名、合格者数4名
春期:志願者数4名、合格者数0名
【平成28年度】
秋期:志願者数40名、合格者数26名
春期:志願者数20名、合格者数4名
【平成27年度】
秋期:志願者数37名 合格者数26名
春期:志願者数16名 合格者数 5名
【平成26年度】
秋期:志願者数66名 合格者数26名
春期:志願者数22名 合格者数 9名
【平成25年度】
秋期:志願者数69名 合格者数28名
春期:志願者数36名 合格者数13名
入試説明会
【2024年 臨床心理学研究科説明会】
臨床心理学研究科の特色や教育内容の紹介、入試に向けた学習対策や傾向に関する説明など、本学の大学院に関する様々な情報を直接、教員から聞くことができる貴重な機会です。
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、対面とオンラインを併用したハイブリッドでの開催とします。
●開催日時:
2024年 7月 4日(木)19:00~20:00
●場所:キャンパスプラザ京都6階 第2講習室(対面)またはZoomでのオンライン配信
※予約制(定員あり)対面25名、オンライン100名
https://www.kbu.ac.jp/kbu/exam/event/insetsu.html
進路状況
本研究科の修了生は、臨床心理士と公認心理師の資格認定試験で高い合格率を残しています。
・臨床心理士
研究科開設以来の平均合格率・・・80.2%
同期間中の試験平均合格率・・・・63.4%
・公認心理師
本研究科カリキュラム開設以来の平均合格率・・・80.4%
同期間中の試験平均合格率・・・・80.2%
研究科の概要・特色
医療、福祉、教育、司法、産業など、さまざま分野で、心理査定や心理療法に携わる高度専門職業人が求められています。こうした要請に応えるべく、臨床心理学の成果を社会に還元するのが臨床心理学研究科博士課程(前期・後期)の使命です。「人間」への理解を深める実践的なカリキュラムを設け、人間心理に関する高度な能力を備えた専門家の育成をめざします。
1.【京都文教大学の設立の精神 学部と連動した一貫教育】
本学は、元文化庁長官、京都大学名誉教授である河合隼雄氏の指導のもとに、1996年にほぼ日本最初というべき臨床心理学科を設立しました。2000年に臨床心理学研究科修士課程、2003年に博士後期課程を設立し、学部から博士課程まで一貫した心理臨床家養成のための大学として位置づけられます。そして、2008年には日本最初で、現在も唯一の「臨床心理学部」を創設しました。心理臨床家を養成するための大学、大学院として新しくデザインして創設した大学であることが特徴です。
臨床心理士は大学院修士課程を中心とする資格ですが、公認心理師は学部と大学院を連動させた制度です。本学はすでに1996年度から公認心理師の制度を先取りしてきたということができます。
2.【深さと広さ】
人の心は非常に複雑です。それは意識と無意識という相異なった、しばしば矛盾する心の層、心のはたらきがあるからです。人の心の意識は非常に重要であることは言うまでもありません。しかしそれに劣らず無意識の心のはたらきにも注目する必要があります。本研究科では、無意識領域をも視野に入れた本格的な心理療法実践ができる人材を養成することを目標にしています。また、実践において医療、福祉、教育、司法、産業という多方面で応用できるようなカリキュラムを工夫しています。これにより心の深さと広さをカバーできると考えます。
3.【本格的な力動的心理療法を体系的に指導】
本研究科では、精神分析、ユング心理学、芸術療法など深層心理学にもとづく本格的な力動的心理療法を学ぶ機会に恵まれています。意識と無意識の相互作用の不思議さを学ぶことにより、人間理解がより深まることになるでしょう。そして、これらの学びを通して、自分自身の心の成長を感じることにもなります。臨床心理学の教育で一番重要なことは自分自身の心の成長にあるとも言えます。自分自身の心の成長とクライアントの心の成長が不即不離の関係にあることを知ることになるでしょう。
4.【さまざまな実践領域に対応できる幅広い視点を提供】
日本最大級の臨床心理士教員数を誇る本学は、学部と大学院が連動しています。本学の教員スタッフは、医療、福祉、教育、司法、産業といったさまざまな領域で実践活動をしています。そのような経験豊かな教員スタッフの知恵に自然に触れられる環境にあります。いつでも必要な時に必要な知恵が与えられるでしょう。そのためには、ゼミ指導においても、担当ゼミ教員だけではなく、全教員が院生全体をサポートし、指導する仕組みになっています。
5.【 豊富な臨床実習体験―学内実習】
本研究科では豊富な実習体験が用意されています。この実習は、例えば教員養成のための教育実習と比較するとわかるように、2年間の長期にわたる継続的実習体験です。人の心の成長過程を観察し、その変化を感じとるためには、長期の継続的なかかわりが必要なのです。これが他職種とは異なる臨床心理士養成教育の一大特色です。まず当初、学内の附属「心理臨床センター」において、受付事務などのマナー教育を学びます。これによって電話の受付などができるようになります。その経験をした後に、ここでカウンセリングやプレイセラピーを実際に体験することになります。本格的なカウンセラーとしての第一歩を踏み出すのがこの場です。
6.【豊富な臨床実習体験―学外実習】
学内実習と並行して、学外での実習が始まります。幼稚園、小学校などの教育機関、また、精神科、神経科などの病院・クリニック、さらに福祉施設などに出かけて体験を広げます。これらは2年間に継続して行い、少なくとも3領域の経験を積むことができます。実習先と大学は提携しており、安心して実習に赴くことができます。さらに大学附属の産業メンタルヘルス研究所への研究活動への参加、発達障害児へのグループセラピー、子育て支援、発達検査を中心とするアセスメントなど、課外での実習機会も活用することができます。
7.【手厚い養成システム―スーパーヴィジョン】
人の心に寄り添い、その成長とつき合う仕事であるカウンセラーになるのは、なかなか大変です。実際に自分がカウンセラーとしての役割が取れるかどうか、誰しも不安を憶えるものです。大学院はどのように初心者を育てるのか、その教育体制が問われることになります。これが大学院の質を決めると言っても過言ではありません。指導の要は各ゼミ担当教員です。ゼミ担当教員には、大学院生活や研究活動だけではなく、実習やカウンセリングについてもいつでも相談することができます。また、担当教員だけではなく、全教員からもサポートをされます。さらに学外の専門家からも個人スーパーヴィジョンを受けるシステムを作り上げています。これらの専門家は本学教員スタッフがしっかりと選んだベテラン臨床心理士ばかりです。カウンセラーになることへの不安や悩みも十分に受け止め、指導してくれます。
8.【充実した学習・研究環境】
大学院生共同研究室には全員に個人机、ロッカーが設置されています。共有スペースにはソファと簡単な炊事ができる給湯室があります。実践活動や研究で疲れた心身を癒すための場でもあり、友情を育む場として利用されています。本研究科は定員が多いので、ここで培った友情は今後の人生においても貴重なネットワークに育つことでしょう。修了後も修了生・教職員による「京都文教心理臨床学会」が組織され、会員相互のサポートが受けられます。学部の図書館とは別に大学院図書室があり、洋書を中心に臨床心理学を学ぶにふさわしい図書、文献が準備されています。大学院生活への支えとして、入試成績上位者に対する返還義務のない奨学金の付与、有給での教育経験(ティーチング・アシスタント:TA)の機会もあります。
9.【海外交流の豊富さ―国際的心理療法訓練機関との交流】
本研究科は教員スタッフの豊富さのおかげで、海外の情報や経験を居ながらにして知ることができます。精神分析、ユング心理学、ボディ・ワークなど海外の著名な心理臨床家が本学を訪れ、講演や研修会を行います。スイス・ユング研究所の夏期集中プログラムに参加する企画もあります。
求める人材
臨床心理学研究科では、次のような学生を求めている。
【博士前期課程】
(1)基礎的な臨床心理学の知識と技術をバランスよく身につけ、臨床心理学的な対人援助の実践に献身したいと思う者。
(2)臨床心理学の知識や技術の学習に必要な基本的なアカデミックスキルとコミュニケーション力を持つ者。
(3)自分自身と全体的に向き合い、対人関係に自分を活用できる自己理解力、および他者の心と全体的に向き合い、尊重できる対人関係力を持つ者。
担当教員
●禹 鍾泰 教授
深層心理と文化の問題を考えています。その結果を人間理解と心理臨床にいかに役立てるかを模索中です。その手段として象徴性のある物語、夢、箱庭といった領域に取り組んでいます。最近はオペラの分析に興味を持っており、その中の人間の内面を分析しています。
大橋
●香川 克 教授
スクール・カウンセリングなど、学校現場や教育委員会の事業のお手伝いをしながら、中学校のメンタル・ヘルスについて実践・研究を深めています。子どもたちの成長に関すること、親子の問題、家族の問題について、心理臨床的な援助を通じてアプローチしています。
●高石 浩一 教授
日本文化に「個性化」をいかに持ち込むか、とりわけ均質化の高い社会構造への「わがままな個」の関与を、「個」の側から見ていくことです。要するに、わがままな自分を変えないで、世の中を渡って行くにはどうしたらいいんだろう・・・ということをナルシシズム、恥、インターネットなどを通して結構真面目に考えています。セクシュアルマイノリティーにも興味の幅は広がっています。
●名取 琢自 教授
主な研究テーマは元型的心理学、無意識と身体性、心理療法における相互性です。現代人の深層心理について、描画や箱庭、夢などのイメージから研究をすすめています。心理臨床家の個性の問題、スーパーヴィジョンや教育分析の意味についても検討しています。
●濱野 清志 教授/研究科長
心理臨床の実践を基礎づけることのできる独立した学としての心理臨床学を確立する道を自分なりに模索しているところです。また、人のアイデンティティのあり方、とりわけ、個人個人をそれぞれ別々の存在としてとらえる自我の確立といった意味でのアイデンティティではなく、より人間相互の関わりに焦点を置いたトランスパーソナルな次元におけるアイデンティティについて「気」と「身体」という観点を軸に研究しています。
●平尾 和之 教授
人の心、生き方に興味があります。心理的視点(個別的、主観的視点)と医学・生物学的視点(普遍的、客観的視点)を重ねながら、心理臨床学と精神医学のつながりについて、臨床実践(臨床心理士と精神科医のコラボレーション)から学問的基礎(心理療法と脳科学のコラボレーション)にわたるレベルで、模索しています。また、心理臨床学と芸術・表現(とくに映画)のつながりについて、夢などのイメージを通して、研究しています。
●松田 真理子 教授
健常者と統合失調症者の「ヌミノース体験(宗教体験)」の異同を検討することで、統合失調症者の心理療法に新しい視座を見出す試みを行っています。また思春期・青年期の「アットリスク精神状態群」の人々の精神病顕在発症予防を目指した心理療法の探索も行っています。そして「生きる意味」という原点に立ち返り、多層的な視点から物事を捉えていく柔軟性と真摯さを培うことをめざしています。
●井上 嘉孝 准教授
心理療法における「イメージ」と「関係性」について幅広く関心をもっています。吸血鬼や怪物など、異界・他界・異形の存在があらわれる物語が現代には溢れています。そこには今を生きる私たちにとっての重要な知恵が含まれているのではないか、その意味を読み解き、伝えることは深層心理学の使命なのではないか、と考えています。また、いわゆる逆転移の臨床的意義やセラピストの主観的体験とその成長過程にも関心を持っています。
●倉西 宏 准教授
死別経験者がその体験を自己の一部に位置付けることができるのかどうか。もしできる場合にはそこには「私」全体にどのような変容が生じるのか。そして、その体験が自己の一部になれず、もしくは苦悩として残り続ける時、その苦悩が人間に何をもたらすのかについて、考えています。そういった観点からグリーフケア活動を立ち上げて活動予定です。 また、イメージを用いた心理療法にも関心を持ち、深層心理学的観点からの事例研究にも取り組みたいと考えています。最近は物語という観点から漫画にも関心を持っており、それらに関連して「特別であること」と「普通であること・この世に降り立つこと」といったものについても関心を持っています。
●清水 亜紀子 准教授
ユング心理学に興味があり、その考えをベースに臨床と研究に励んでいます。具体的には、がんを中心とした終末期における心理療法、遺族ケアなどを通して、人間にとっての「死」、そして、「死」から見えてくる「生」について考えています。また、心理療法の中で、夢、箱庭、描画などのイメージがどのように現われ、どのような内容を持ち、どのような機能を果たすのかについても関心を持っています。
●千秋 佳世 講師
自我体験とは私という存在の不思議さ不確実さに気づき、それまで当然のものだった「私」や「世界」の自明性が揺るがされる体験です。その中からいかに新たな主体が立ち現れてくるのか、さらにはどうやって「他者」と出会うことができるか、臨床心理学的立場から考えています。そこから派生し、避けえない体験にいかに個人が向き合い、引き受けていくのかとうことも大きなテーマとして考えています。
●長谷川 千紘 講師
前思春期(子ども時代から思春期への移行期)のこころについて関心を持っています。前思春期は「わたし」という自己意識が成立する、こころの成長にとってとても重要な時期です。この時期の子どものこころについて、箱庭や夢などのイメージや、このときに出会う大切な「他者」(同性の友人、想像上の仲間、推しなど)をキーワードに研究しています。