受験生へのアドバイス
選抜試験においては、本専攻で学ぶための基本となる、大学卒業程度の専門的な知識、論文読解力(英文を含む)、研究実践能力、および幅広い視点からの分析力、考察力、論理的思考力などを、筆記試験と面接をとおして、総合的に判断します。
臨床心理学コースで修了に必要な履修科目には、集中講義形式で行われるものや、通年で行われる現場実習等、昼間に多くの学習の時間を確保しなければならないものがあります。そのため、在職のまま入学しようとする人は、このことを十分留意して受験して下さい。
入試時期
年1回(10月)
募集人数
他2コースとあわせて11名(社会人を含む)
出願期間
令和6年8月19日(月)から8月23日(金)
試験日
筆記試験 令和6年9月28日(土)
面接試験 令和6年9月29日(日)
試験科目
●一般:専門科目(200点)、面接(200点)
●社会人特別選抜:専門科目(200点)、面接(200点)
提出書類
・研究計画書(大学所定用紙)
・受験理由書(社会人のみ)
※社会人特別選抜の場合、他にも提出書類あり
社会人入試
一般入試の出願資格に該当し、次のいずれかに該当する者
(1)現に常勤の常勤の職を有し、入学後も在職のまま就学する予定の者
(2)入学時において大学卒業後3年以上経過している者
(3)社会人編入学試験等で学部に入学し、卒業した者又は卒業見込みの者
(4)入学時において大学卒業後3年以上経過していない者でも、社会人経験3年以上を有する者。ただし、昼間部の大学の在学期間はその期間に職業をもっていた場合でも、社会人としての経験に入りません。また、夜間・夜間主又は通信制の大学の在学期間に職業を持っていた場合は、職業についていた期間が社会人としての経験に入ります。
合格発表日
令和6年10月10日(木)午後2時頃
応募状況
■過去の入試結果
【2023年度入学入試】
・一般:志願者43名、合格者14名
・社会人:志願者7名、合格者1名
・学内推薦:志願者0名、合格者0名
【2023年度入学入試】
・一般:志願者36名、合格者11名
・社会人:志願者7名、合格者2名
・学内推薦:志願者0名、合格者0名
【2022年度入学入試】
・一般:志願者19名、合格者10名
・社会人:志願者8名、合格者1名
・学内推薦:志願者6名、合格者1名
【2020年度入試】
・一般:志願者24名、合格者9名
・社会人:志願者4名、合格者2名
【2019年度入試】
・一般:志願者28名、合格者11名
・社会人:志願者4名、合格者なし
【2018年度入試】
・一 般:志願者23名、受験者19名、合格者9名
・社会人:志願者12名、受験者 12名、合格者 2名
【2017年度入試】
・一 般:志願者24名、受験者23名、合格者10名
・社会人:志願者 6名、受験者 5名、合格者 0名
【2016年度入試】
・一 般:志願者16名、受験者16名、合格者7名
・社会人:志願者6名、受験者6名、合格者0名
【2015年度入試】
・一 般:志願者32名、受験者27名、合格者10名、入学者9名
・社会人:志願者10名、受験者10名、合格者3名、入学者3名
入試説明会
人文社会科学研究科説明会
【日時】7/7(日)14:30から (予備日:7/14(日))
【内容】オンライン説明会(60~90分程度)
・Zoom ミーティングを利用したオンライン説明会を行います。
・申込みいただいた方に説明会参加のためのURLを配布します。併せて資料の送付申込みも受け付けます。
・〆切後も可能な範囲で申込を受け付けますが、開催日迄に手続きが間に合わない場合もあります。あらかじめご承知おき下さい。
https://www.hss.shizuoka.ac.jp/rinsho/index.html
研究室訪問
入試合格者に対し、入学後の指導教員を決定するために、事前にアポイントメントを取り教員と話し合ってもらう機会を設けています。
備考
【過去問題】
・現地閲覧可(コピー可)
研究科の概要・特色
【臨床人間科学専攻とは】
臨床人間科学専攻は,保健・医療・福祉・教育・行政・NPO・市民運動などのヒューマン・サービスや社会政策の分野で,ケア・援助・支援・政策のあり方を探り実践的に活動しうる人材,すなわち,高度専門職業人の育成を目指しています。そのため,臨床人間学・臨床心理学・臨床社会学など広義の臨床人間科学の総合的な学習と研究を通じて,幅広い教養を身につけると同時に,援助実践の専門的な技能,および調査・研究の能力を養います。
本専攻は、保健・医療・福祉・教育・行政・NPO・市民運動などのヒューマン・サービスや社会政策の分野で、ケア・援助・支援・政策のあり方を探り実践的に活動しうる高度専門職業人の育成を目指しています。そのため、臨床人間学・臨床心理学・臨床社会学など広義の臨床人間科学の総合的な学習と研究を通じて、幅広い教養を身につけると同時に、援助実践の専門的な技能及び調査・研究の能力を養います。
このような目的と課題を達成するために、本専攻では、以下のような教育方針をとっています。ヒューマン・サービスや社会政策の分野に関わる専門職業人として、現場で発生する倫理的・法的問題についての深い認識をもち、関連法規と行政・施策をふまえて、的確 に対応する力を身につけます(総合講義「対人援助の倫理と法」ほか)。
ヒューマン・サービスや社会政策の分野に関わる最前線の現場で働く専門職者の生きた体験に学びます(「学外施設実習」ほか)。 ヒューマン・サービスや社会政策の分野に関わる諸問題やそれらにアプローチする実践や対策の実態を捉え、その改善策を提案する力を涵養するため、各人の問題関心に即 した履修プログラムを作成し、エビデンスに基づく質的ないし量的な研究方法の修得をめざします(「研究法」ほか)。
【臨床心理学コース】
広義の心理臨床に従事する高度専門職業人として,目前の課題に適切に対処する実務能力と感受性と倫理,および自らの実践の成果と効果を適切に把握し,より適切な臨床実践を提言していくための研究能力とをバランス良く兼ね備えた人材の養成をめざします。また,本コースは「臨床心理士」および「公認心理師」の養成課程にも対応しています。
求める人材
人類が歩んできた歴史を踏まえ、21世紀の国際社会が抱える諸問題に積極的に取り組む意欲をもち、人文社会科学の各分野に対し高度の研究意欲と実践意思を有する人の入学を期待します。
担当教員
●江口 昌克 教授
コミュニティヘルスの向上に資するネットワークシステムとプログラムの開発が主要テーマ。個人を支える集団および社会の在り方に関して,地域精神保健福祉領域および産業精神保健領域を中心に検討を加えている。
併せて,現代社会の附託に応え,コミュニティにコミットできる臨床心理士の職業能力育成についても研究を進めている。
●笠井 仁 教授
催眠,自律訓練法,イメージ諸技法についての実践的な検討とともに,イメージ体験についての基礎的な検討を行ってきた。また,痛みのコントロールとの関連で,緩和ケアにおいて患者,家族,スタッフに対する心理的援助に関する実践的な検討に取り組んでいる。心理療法の歴史的転開についての跡づけも関心領域となっている。
●田辺 肇 教授
意識・記憶・自己・現実感・意味感の異常現象に焦点を当てることで,病態心理と一般心理をともに視野に入れた人間理解の枠組みの中に,人格と体験の成立の要件を実証的に捉えようとしている。最近は,児童虐待や心的外傷との関連でも注目され,多重人格やPTSDの症候理解の鍵概念である「解離」の問題を中心に検討を行っている。実践面では,個人のみならず集団や地域へのアプローチも含めた,心理臨床と精神保健福祉の活動に取り組んでいる。さらに,心理臨床における理論の位置づけや,臨床的・科学的認識のあり方についての批判的検討を行い,学問的・臨床的実践の基本枠組みに焦点を当てようと考えている。
●畠垣 智恵 教授
主に幼児期から学童期の子どもの発達障害(広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、知的障害)や情緒障害に関心をもっている。本人とその家族に対して、1対1やグループ活動を通してどのような支援ができるかを具体的に考え、地域の学校や病院、大学の相談室などでの活動にも取り組んでいる。また、その支援の効果について研究している。もう1つの専門は、心理アセスメントであり、幼児期から学童期、思春期の子どもの発達や心の状態や気持ちを理解する方法として、投影法(ロールシャッハ法、描画法、SCT法など)をもちいた研究を行っている。
●高岡 しの 講師
ユーモアを使用することの効用に関心を持っています。ユーモアは多面的な概念であり,健康に良い面とあまり良くない面があるといわれています。健康に良いといわれているユーモアを使ってストレスに対処したり,対人関係を良くしたり,心身の健康を促進したりすることができるのか,またそのプロセスなどについて実証的に検討しています。加えて実践研究では,発達障害のある幼児期から青年期の方やそのご家族への行動的支援,大学生の抑うつ予防プログラムなどにかかわってきました。人がより健康に,より楽しく過ごすにはどうしたら良いのかについて日々考えています。
●望月 洋介 講師
人間性心理学(Person-centered Approach、ゲシュタルト療法、Emotion Focused Therapy)が心理臨床のベースで、それに加えて森田療法や認知行動療法も実践してきた。研究では、精神科領域における心理療法の効果研究や事例報告を主に行っており、特にグループセラピーやグループでのトレーニングに関心がある。最近では、神経性やせ症(拒食症)に対するピアサポーターと協働したグループセラピーの効果についてランダム化比較試験に取り組んでいる。また、心理専門家やボランティアスタッフ養成のためのトレーニンググループも行っていて、心理臨床に関する体験的な研修にも関心がある。