神戸大学経済学部3年次編入学 傾向と対策②

投稿者: | 2016 年 1 月 23 日

●経済学
1. 出題形式
大問3問または4問で構成されている。そのうち1問はミクロ経済学・マクロ経済学全般に登場する語句の説明問題であり、2問から4問の小問で構成されている。また残りの大問はミクロ経済学とマクロ経済学の計算を伴う問題であり、2問から3問の小問で構成されている。
2. 出題テーマ
語句説明の問題は、ミクロ経済学・マクロ経済学全般より様々なものが出題されている。例えば、「機会費用」、「公共財」、「GDPデフレーター」などのように非常に基本的なものから、「補償変分」、「ラスパイレス価格指数」などのようにやや細かい項目、さらに「ホモ・エコノミックス(経済人)」のように根本的な概念など様々である。ただし、いずれも世界標準のミクロ経済学・マクロ経済学のテキスト(例えば、マンキュー、スティグリッツ、クルーグマンなどが書いたもの)を1冊読めば出てくるものである。
ミクロ経済学の大問は、消費者理論、生産者理論、完全競争市場の均衡、国際貿易の基礎、独占市場の均衡、寡占市場の均衡、ゲーム理論の中から基本的な問題が出題されている。
マクロ経済学の大問は、貨幣市場の分析、IS-LMモデル、マンデルフレミングモデル、経済成長率の分解、ソローモデルと狭い範囲の出題が目立つ。
3. 難易度・対策
語句説明はほぼその語句の定義だけを答えるものでありそれ自体は難しくない。ただし、出題されうる語句の候補は広いので普段から語句の定義を書く練習をしていなければ対応が難しいであろう。
ミクロ経済学とマクロ経済学の大問は共に与えられたモデルを「解けるか?」という点に主眼があり、ある意味機械的に学習できるであろう。これらのモデルを解かせる典型問題を練習していれば対応できるであろう。

●数学
1. 出題形式
大問4題で、およそ微分の問題、積分の問題、線型代数、最適化数学の4問で構成される近年はいずれも計算問題(求値問題)が多いが証明問題が出題されることもある。
2. 出題テーマ
微分の問題:1変数の微分計算、テーラー展開、微分可能性、偏微分の計算
積分の問題:部分積分・置換積分を用いた1変数積分の計算
線型代数の問題:行列式の値、逆行列を求める、一次独立であることの証明、対角化
最適化数学:極値を求める、陰関数定理を用いて微分係数を求める
3. 難易度・対策
計算問題も証明問題も基本的な問題ばかりである。サイエンス社に見られる問題演習のテキストでも易しめのものができれば対応可能である。ただし、証明問題は自力で論述できるまで相応の練習が必要なので注意したい。

新宅先生