横浜国立大学3年次編入 経済学部 傾向と対策①

投稿者: | 2015 年 10 月 15 日

横浜国立大学の選考方法は、以下の通りである。

専門科目(経済学1,経済学2,法学から1科目選択)
・経済学1:経済原論,経済史および経済政策の分野と関連する基礎的学力を問う。
・経済学2:マクロ経済,ミクロ経済および経済数学の分野と関連する基礎的学力を問う。
・法学:公法および私法の分野と関連する基礎的学力を問います。
語学(スコア提出)
・TOEFL  52点(iBT)
・TOEIC  500点
・ドイツ語技能検定 2級
・実用フランス語技能検定 準2級
・中国語検定試験 3級

今回は、経済学の範囲の傾向と対策、次回は法学の傾向と対策を掲載します。

【経済学Ⅰ】
経済学Ⅰでは、多くの場合3つの大問からなり、多くの場合社会経済学が1問、経済史が2問となっています。
社会経済学については、労働価値説、貨幣、価値増殖過程、利潤率の低下など、基本的な概念に関して説明を求められる問題が多く出題されています。多くは論述によるものですが、若干数式を用いた説明が求めらることもあります。
経済史については、市民革命、産業革命、世界恐慌などの重要な事件についての説明やその影響に関する論述問題が多くみられます。また、国際通貨体制、GATT・WTO体制も頻出の分野です。さらに、近年はグローバル化など現代的な経済現象についての説明を求める問題も増えています。
いずれの問題に関しても、標準的な教科書による対策を十分にすることで対応できると考えられます。

【経済学Ⅱ】
経済学Ⅱでは、全部で4~6問の大問が出題され、ミクロ経済学、マクロ経済学がそれぞれ半分ずつとなっています。両者ともに学部レベルの標準的な問題が多数を占めますが、やや応用的な内容も出題されています。
ミクロ経済学は、用語問題のほか、消費者理論、企業理論、市場均衡理論の計算問題が中心です。簡単な関数を与えられて解くものが大半ですが、関数形を特定しない形のやや抽象的な証明問題や、現実の問題を題材とした応用的な問題も出題されることがあるので、こういった問題にも慣れておくことが必要です。出題範囲は多くが完全競争市場の一般均衡理論までですが、不完全競争市場や国際貿易も一部出題されているため、幅広く準備しておくことが求められます。
マクロ経済学は、IS-LM分析、ソローモデルなどの基本的なモデルのほか、GDPや物価指数の定義・計算方法が例年多くみられます。また、ライフサイクル仮説、異時点間の最適化問題など、ケインズ経済学以外の範囲も出題されています。ただし、これらに関しても、初級のマクロ経済学のレベルを押さえておけば対応できると思われます。さらに、理論を用いて現実的な問題について論述する形式の問題もたびたび出題されています。

池田先生