姫路獨協大学 薬学部 編入学

投稿者: | 2014 年 12 月 9 日

傾向と対策 小論文編

 例年、提示されたテーマに基づいて一本の小論文を書かせる形式である。(ただし2013年後期以降は、複数のテーマから一題を選ばせる形になっている)。2011年までは800字指定であったが、2012年以降は字数が増え、1000~1200字というなかなかの長文を90分で書かねばならない。
 以下、近年のテーマを見てみよう。

2014年度:(※4題のうち1題を選択)
(1)地域医療におけるプライマリケアと薬剤師の役割
 (2)化粧品の安全対策と薬剤師の役割 
(3)治験における利益相反と薬剤師の役割 
(4)日本版NIHの設置と薬剤師の役割
2013年度後期:(※2題のうち1題を選択)
(1)TPPと医療環境 
(2)iPS細胞と医薬品開発
2013年度:高齢化社会における薬剤師の役割
2012年度:地域医療と薬剤師
2011年度:私が目指す薬剤師(「高齢化社会・医療費の高騰・チーム医療・専門薬剤師・街の科学者」の語群から2語以上使う)

チーム医療や地域医療、また高齢化問題などは、医療系の大学では昨今頻出のテーマである。この大学の編入対策としても、こうした今日的なテーマはしっかり押さえておきたい。現代において求められる「地域の中での薬剤師像」「チームの中での薬剤師像」について、明確なイメージをもっておくことが重要であろう。
2013年、2014年ではさらに、テーマが時事的・具体的になっている。薬剤師の多岐にわたる役割としてどのようなことがあるのか、製薬や医療の現場でどのような議論があるのか、具体的に知っておく必要がある。テーマに馴染みがない人は、医療系小論文の頻出テーマを扱った参考書を探し、目を通しておくとよい。

さらに、1000~1200字という字数なので、単に自分の思いを述べるだけでなく、論理を組み立てて書く必要がある。テーマについての前提知識を述べ、それに対する問題提起、反対意見の吟味、自分の意見とその根拠……というように。長い文章を書くのに慣れていない人は、まずは基本的な小論文問題集で練習をしておきたい。
また、「薬剤師の役割」について問う設問が多い。受験生が今後、実際に薬学のプロとして働くにあたってどのような心構えをもっているのかを問いたいのであろう。よって、単に「薬剤師の役割」を並べるだけでなく、自分がどんな薬剤師像を理想とし、どんな意識をもってそれを目指しているか、というアピールや抱負が伝わる答案が望ましい。