法政大学 社会学部 2年次編入 論文

投稿者: | 2014 年 12 月 3 日

傾向と対策
毎年、人文分野2問のうちから1問、社会分野2問のうちから1問、計2題を答えさせる形式である。人文・社会についてのベーシックな教養と、論理的な文章を書く力が求められている。

近年のテーマを見てみる。
人文分野は以下である。
2014年:(1)インターネットの危険性 (2)インターネット依存。
2013年:(1)次世代への責任 (2)自国の歴史。
2012年:(1)英語リテラシー (2)優先席をめぐる施策。
2011年:(1)市民社会の役割 (2)宗教の役割。

社会分野は以下である。
2014年:(1)外国人労働者の受け入れ (2)死刑制度。
2013年:(1)貧困と自己責任論 (2)パーソナライゼーション。
2012年:(1)二大政党制 (2)経済成長。
2011年:(1)人口減少社会 (2)臓器移植。

以上、いずれも今日的なテーマである。2014年の人文分野(1)では、「LINEを使ったいじめ」など新しい話題が取り上げられており、日ごろから時事問題や最新のトピックに目を配っておくと安心であろう。
ただし、時事問題をただ知っているだけでは対策として不十分である。それらの問題についてどのような議論がなされているかをおさえている必要がある。たとえば、社会分野は毎年、テーマについて反対意見・賛成意見の双方を踏まえたうえで自分の意見を述べさせる形式になっている。死刑制度への賛否や、人口減少社会の長所・短所、臓器移植への賛否などは、入試小論文では定番の議論といえよう。マニアックな専門知識は問われないものの、そうした定番の議論をきちんとおさえていること、そのうえでいずれかの立場に立って自分の考えを述べられることが求められている。人文分野でも、単に自分の主観的な意見を述べるのでなく、まずは定番の議論を知っておく必要がある。たとえば、2013年のテーマは一見抽象的に見えるが、(1)であれば環境問題、(2)であれば歴史論争など、今日的なトピックと結び付けて論じることが求められる。2012年(1)は、グローバル化という社会背景と結び付けて論じたい。
こうした定番のテーマに馴染みがない人は、まずは、大学入試用の小論文参考書・問題集を用いて、基礎知識を身につけておくことを勧める。よく出題されるテーマを網羅した参考書・問題集を選ぶとよい。同時に、「AかBかいずれかの立場に立って意見を述べる」「テーマについて賛成か反対かを述べる」という形式で書く練習もしておきたい。この形式では、両者の立場の長所・短所を検討したうえで、根拠を示しながら自分の立場を論理的に主張することが求められている。

村田先生