上智大学神学部 3年次編入学 傾向と対策

投稿者: | 2014 年 10 月 18 日

【小論文】
基本的に、ある長文が出され、その長文に関する問題に論述形式で答えるという形で小論文が出題されている。具体的な問題に答える形式であるため、小論文のなかでは比較的解答しやすい問題である。本校が所有している過去問によれば、出題される長文は、2014年度がカトリック神学者カール・ラーナーの文章と教皇フランシスコの勧告、2013年度が教皇ベネディクト16世の回勅とメッセージ、2010年度は教皇ベネディクト16世が中東を訪問した際の新聞記事、2008年度はルカ福音書より放蕩息子の譬え話、2004年度がペトロの手紙㈠3章15節である。全体としてはキリスト教に関連するもの、特にローマ教皇やカトリック神学者に関するものが多いのが特徴である。なお、2009年は例外的に長文がなく、聖書と科学の問題を事例に、現代人にとっての聖書テキストの意味について、解答者の考えを論述させる問題であった。この傾向が新しい傾向となることはなかったが、例年とは異なる傾向の問題が出る可能性があることは頭の片隅においておくべきであろう。
対策としては、まず、神学やキリスト教思想についての一通りの知識を身につけておく必要がある。上智大学の先生方が出している入門書などを通してカトリック神学を学び、同時に古代から現代に至るまでのキリスト教思想の知識を得ておくとよいだろう。「聖書や思想家の言葉を挙げて論述せよ」という問題も過去には出題されているので、聖書やアウグスティヌスのようなカトリックの神学者の著作を実際に読み、その言葉に触れておく必要もまたある。次に、現代においてキリスト教やカトリック教会を取り巻く問題について一通り把握しておく必要がある。特に重要なのは最近のローマ教皇の動向や発言であり、ニュースなどを通して目を通しておくとよい。ローマ教皇の動きや発言に対して、カトリック教会の内外でどのような意見や批判があるのかを知っておくとなお良いであろう。最後に、以上の知識や問題に対し、自分の意見を論理的に述べる訓練をしておく必要がある。小論文の実際の演習を通して、上述の知識を応用する能力を習得するのが良い。先生に添削してもらうとなお良いであろう。