「発達障害と認知」

投稿者: | 2014 年 10 月 8 日

発達障害者というとどのような人々を思い浮かべるでしょうか?そのイメージは人それぞれであると思いますが,知的障害がある,日常生活において様々なことに困難を抱えているといったところを想像する方が多いかもしれません.そして,関わり合いが難しいと考える方もいると思います.
また,発達障害というとどのような障害を想像するでしょうか?自閉症スペクトラム障害やアスペルガー症候群,広汎性発達障害,ダウン症などといった障害を思いつく方が多いかもしれません.近年,TVなどで耳にすること,目にすることが増えましたね.
ではみなさん,発達障害と一括りで言ってしまいがちですが,彼らが日常で実際にどんな困難を抱えているのでしょうか?そしてなぜ,さまざまな事柄に困難を抱えているのでしょうか?
単に知的能力が低いからでしょうか?単に人より理解が難しいからでしょうか?
そう簡単に考えてはいけません.彼らは発達障害を持たない人と,遺伝子のメカニズム,脳のメカニズム,そして認知のメカニズムが異なります.外界から情報を受け取るメカニズム,そしてそれを処理するメカニズムが違うのです.さらに,単に発達障害といっても,そこには様々な障害があります.彼らは障害の違いによって,全く異なる認知メカニズムを持っています.そして,同一の障害の中でもまた,そのメカニズムはバラエティに富んでいます.
発達障害は一つの個性であり,そこにはさらなる個性が広がっていると,私は考えています.彼らがどのように世界を捉え,どのように情報を処理するのか,認知という視点から彼らのことを考えると,よりよい支援の仕方,向き合い方が広がると思います.一つ一つの個性に目を向けてみると,よりみんなが活き活きと人生を過ごせるかもしれませんね.

中道先生