編入試験で法学を勉強する場合に気をつけた方がよいことについて書きます。私も法学を編入試で受けましたが、最初は何の予備知識もなしにいきなり難しい教科書を読んでも何のことかさっぱりわかりませんでした。どんな学問でもそうですが、特に法学の場合、最初は「こんなんでいいの?」と思うくらい薄くて字が大きい本から取りかかった方がよいです。そして、徐々に難しい本にアタックしていくのが結局は一番近道になると思います。
法学の編入試験の過去問を見ていて思うのは「知っている知識」を吐き出すだけでは対応できない問題が出ているということです。そのような問題には、正確に理解した「原理・原則」を応用するしかありません。いたずらに知識を広げるだけではかえって誤った解答をしてしまいかねません。中央ゼミナールで法学を教えていても、覚えている知識を単に吐き出しているだけのような答案を見ることがありますが、そのような答案は(書いた本人はできたと思っても)評価されることはありません。「原理・原則」を正確に理解するためには段階的な学習は不可欠です。
そして、法学の場合、法哲学・法社会学といった抽象的な分野から始めるとかえって分からなくなります。まずは、具体的な実体法(憲法・民法・刑法など)から学習を始めることをお勧めします。なぜなら、法学では具体的なイメージを持つことが「原理・原則」の正確な理解に大きく役立つからです。
武田先生