エビングハウスの忘却曲線

投稿者: | 2010 年 2 月 18 日

みなさんは「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を聞いたことがありますか?これは心理学用語で、記憶というものは覚えた直後が最大でその後短時間の間に急速に下降し、以後ゆるやかな経過をたどる、ということを示しています。つまり当然のことながら、せっかく覚えた専門用語も放っておくと、自然と忘れてしまうのです。ではどうしたらいいのか?…心理学では「精緻化リハーサル」をおこなうことが有効であるといわれています。これは単に単語を復唱するのではなく、語呂合わせしたり、有意味化するように、記憶項目に何らかの工夫を加えて覚えることを指し、これが長期間記憶に留めておくことに貢献してくれると考えられています。

以前たまたまテレビで「タモリさんがなぜ記憶力がいいのか?」という点を検証している番組を見ました。そこでタモリさんは単語を覚える際、自分が家に帰ってからおこなう様子に関連づけてストーリーを構成していると話されていました。具体的に言うと、「りんご」「蝶々」「机」…と単語を覚える際、「家の扉を開けるとりんごが落ちていて、それを手に取るとそこに蝶々がとまった。蝶々次に机にとまり…」というようにイメージを膨らませながら、ストーリー化し覚えるそうです。それを聞いて「なるほど…タモリさんも精緻化リハーサルを…」と思ったのですが、やはり工夫して覚えることは有効的な方法なのですね。みなさんもご自身に合った暗記方法を見つけてもらえればと思います。

心理学は学べば学ぶほど面白い学問であると感じる今日この頃。心理学と言っても広範囲にわたる様々な分野で構成されており、記憶や脳波や条件付けなんて…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしそのように多角的に人を捉えようとする姿勢も「こころ」を探る上で重要な意味があるのではないでしょうか。苦手分野がある方も一緒に頑張っていきましょう。

丸山先生