神戸大学大学院
経済学研究科 博士前期課程入学試験
【経済理論】
■傾向
ミクロ経済学:出題範囲は消費者理論、生産者理論、部分均衡・一般均衡理論、市場の不完全性、ゲーム理論の多岐にわたる。しかし、極端に難しい問題はない。
マクロ経済学:出題範囲はケインズの理論、ソローモデルが多く、経済用語の説明問題がほぼ毎年出題される。単なる計算問題も出題されるが、「モデルを図、または式を用いて説明せよ」という問題も近年増えている。
今年の試験問題は
- 消費者理論:消費量が0になる価格の範囲の導出、異時点間モデルでの実質利子率と貯蓄、消費の関係
- 独占:独占の基本的問題
- 投資の決定:投資を決定する関数を導出
- 用語説明
であった。消費者理論の「消費量が0になる価格の範囲の導出」が難しいが、そのほかは確実に点を取りたい問題である。
■対策
ミクロ経済学:計算問題に関していえば、「演習ミクロ経済学」(武隈)を解くことをお勧めする。ただし、問題を見た瞬間に解法が頭に浮かぶ程度に繰り返し解く必要がある。説明問題の対策としては、「ミクロ経済学の力」(神取)を読むことをお勧めする。この本は、経済モデルと現実がどう結び付くのかを多くの実例とともに説明しており、院試だけでなくその後の勉強にも大いに役立つ。
マクロ経済学:近年の説明問題に対応するために、マクロ経済モデルをきちんと理解しなければならない。マクロ経済モデルを理解するためには、まずモデルを理解し、その後自分でモデルを再現できるようになる必要がある。その際、「マクロ経済学」(二神・堀)をお勧めする。経済用語説明の対策は、「マクロ経済学」(マンキュー)の最後にある用語解説が役立つだろう。
小島先生