中央大学大学院
文学研究科独文学専攻 博士前期課程入試
【専門】
■傾向
独文学専攻の専門試験は、(1)用語説明問題(2)論述問題(3)大学院で何を学びたいかについて記述する問題の三つです。(1)は、例年10から12題の用語の中から3題を選んで論ずる問題となっています。出題されるテーマは、独文学、ドイツ語学、言語学、ドイツ哲学・社会学・美学などで扱われる重要概念です。(2)は、(1)と同様のテーマを比較的長文で(20-25行、日本語)論述する問題です。(3)は、大学院に入学した後で、自身が研究したいテーマについてドイツ語(30-50行)で述べる問題です。
■対策
(1)や(2)の問題で扱われるテーマは、独文学やドイツ語学などの分野の中でも基本的かつ重要なものばかりです。たとえば、「マルティン・ルター」「東ドイツ文学」「ポライトネス」「ドイツ観念論」などです。ですので、それぞれの専門を全体的に扱う参考書などを用いて、全体的な流れを確認しておく必要があります。さらに、そうした概念を簡潔にわかりやすく説明できるように、独文学、ドイツ語学、ドイツ哲学などの重要概念を要約する訓練をしておきましょう。(3)については、自身が研究したいテーマについて説明できるようにしておくことともに、わかりやすいドイツ語で作文できる能力を身につけておきましょう。
【ドイツ語】
■傾向
ドイツ語試験の問題は、例年2問出題されます(90分)。出題傾向については、第一問目・第二問目ともに、A4一ページの半分程度のドイツ文化・文学・言語学についてのドイツ語の文章を読み、全文を和訳する問題です。
■対策
全問を通じて、基本的な文法を十分に理解しておくことが求められるため、基本的な構文の理解を深め、自然な日本語に和訳できるように準備しておかなければなりません。ドイツ語の文章の内容は、基本的なドイツの文化事情に関する知識を前提とするもの、たとえば、ドイツ歴史や社会問題などを議論するようなものです。そのため、ある程度の専門的な語彙、言い回しの知識を増やしておく必要があります。対策として、ドイツ語で書かれた、文学・言語学・哲学についての入門的なテキストを読んだり、重要な単語を整理したりしておくことが望ましいです。たとえば、ドイツの雑誌Der SpiegelやウェブサイトDeutsche Welleなどの記事を読んで、内容を把握し日本語に訳す練習をしておくことが果的です。
【第二外国語】
■傾向
試験の問題は「英語、フランス語のうち1科目」を選択することになります。出題傾向については、英語はドイツ語と同様、第一問目・第二問目ともに、A4一ページの半分程度の第二外国語の文章を読み、全文を和訳する問題です。フランス語では、試験の年によっては、日本語からフランス語に翻訳する問題があります。
■対策
第二外国語試験では、基本文法についての知識と、ある程度の専門的な内容について理解できる読解力が必要です。それらを踏まえ、正確に文章を和訳できる能力が求められます。さらに、英語圏やフランス語圏の文化事情についての一般的な重要概念を整理しておくことは、第二外国語の試験でも大いに有効でしょう。専門のキーワードを覚える際に、オリジナルのテクストにある対応する用語もセットで覚えておくとよいでしょう。扱われる文章は年によってさまざまですが、英語では、英文学・英語学・英語文化事情など、フランス語では、仏文学などをテーマとしたものがよく出題されています。仏訳問題については、わかりやすいフランス語で作文できる能力を磨いておきましょう。
大喜先生