<傾向>
学力試験と出願書類とによって判定される。学力試験は外国語、専門科目、共通問題(経営学専攻法学分野のみ)、口述試験によって行われる。ここでは外国語試験のなかの英語の出題傾向を中心的に述べる。
英語の試験はTOEICやTOEFLによって代替可能である。TOEICやTOEFLの成績を提出すると同時に学力試験を受けることも可能である。その場合は両方の結果を比較した上で受験者に有利な方が成績として採用されることとなっている。
基本的な傾向としては、長文が二題出題され、両方とも全訳することが求められている。平成19年までは、全訳の問題に加えて、代名詞の指示対象を答えさせる問題や内容を要約させる問題、下線部を和訳させる問題といった設問もまた出題されていたが、平成20年以降、設問に答えさせる問題はなくなり、全訳の問題のみという形になった。注はついていないことが多く、ついていても少ない場合が多い。長文の内容に関して言えば、専門的な内容を扱っているものが大半を占めており、分野ごとに経済学、経営学、法律学となっている。試験問題の全体の傾向としては、専門的な議論を英語で読んでも理解できることと英語で理解したことを適切な日本語文に訳せることとが求められており、高度な語彙力、読解力、速読力、和訳の力が要求されている。
<対策>
語彙に関しては、論説文を読むのに必要な語彙に加えて、専門用語に関する語彙の知識が絶対に必要である。前者の語彙に関しては、大学受験用の単語帳の上級編に出てくるような語彙は基本的なものとして覚えておく必要がある。後者の語彙に関しては、専門用語を英語で何というのかを学習しておかなくてはならない。専門の勉強の際には、英単語も併記してある教科書を選んで学習しておくとよいだろう。そういう教科書がない場合は、英字新聞の経済ニュースや政治ニュースを読んで基本的な専門用語の語彙を確認しておくとよいだろう。
読解力や和訳の力に関しては、まず基本的な文法をおさえて、複雑な英文の構造をすぐに正確に判断できるようにしておくことが絶対に必要である。カンマやハイフン、コロンやセミコロンといった論説文の基本にも慣れておくとよい。具体的には、実際に英文を読んで訳すという練習を地道に積み重ねるしかないだろう。練習の素材としては、過去問でも良いし、英字新聞の経済ニュースや政治ニュースの比較的な長めのものでもよい。作成した訳文を誰かに添削してもらえれば、なおよいであろう。
渡部先生