美学・美術史学の勉強法

投稿者: | 2010 年 2 月 2 日

 美学とは、美や芸術を広く哲学として捉える学問、美術史学は美術/芸術作品を歴史的観点から考察する学問と言えます。それらが内包する範囲は幅広く、多岐にわたっています。そのため、美学史・西洋/東洋/日本美術史、近現代美術史、デザイン史などの入門書を読み、一通りの基礎的知識を身につけておいた方がいいでしょう。
 最近では、写真や映画のみならず、漫画、アニメ、広告、ファッション等を広く「視覚文化(ヴィジュアル・カルチャー)」として研究の対象として捉える動きもありますが、こうした、私たちの身近にあるモノに、豊かに反応する直観・感性こそ、実は、美学・美術史学を学ぶ上で重要となります。「これ、面白そう」でも「なんか、変」でも構いません。こうしたモノに対する興味・関心から出発するのが、美学・美術史学の一つの在り方だと思います。しかし、これで終わり、というわけではなく、直観的・感性的に感じたモノの「魅力」を言葉で伝える必要があります。これは、簡単そうに見えて実は意外と難しいものです。そのための訓練として、先人たちが、どのような言葉を使用して、どのように語ってきたのかを知ることは重要です。知識を得るためだけでなく、言葉づかいやアイデアを「盗む」ためにも本を活用してみてください。

熊倉先生