東京大学文学部フランス語・フランス文学 3年次編入学(学士編入) 傾向と対策

投稿者: | 2016 年 3 月 22 日

問題は毎年3題で、問題形式は1題目がフランス語の文章の和訳、2題目がフランス語作文、3題目が論述となっている。フランス語の語学力、特にフランス語で意図したことを的確に表現できるだけの運用能力が求められるため、難易度は大学のレベル相当と言えるだろう。

和訳の問題は10行前後の文章が出題され、年によって全訳だったり、下線部のみの訳だったり、分量は異なるものの、それなりの長さの文章を翻訳することになる。出題されているのは現代の説明文が多く、文章構造や文法に関しては、文学作品のような凝った文体になっているわけではないので難しくないであろう。なるべくフランス語の文章に多く触れ、語彙を増やしたりフランス語の文章に慣れておくことが望ましい。

作文に関しては、日本の著名な作家のエッセイの一節が出題されることが多く、分量は5,6行となっている。直訳では到底自然なフランス語にはならないので、問題文の日本語の文章の言おうとしていることを汲み取り、読み換えて自然なフランス語で表現できるよう工夫する必要がある。そのためには、フランス語の構文やイディオムなどを身につけることが必要なのはもちろんだが、それだけではなく、日本語の文章の読解力の向上にも努めていかなくてはならない。それに加え、分量も多めなので、スピードも必要とされる。対策としては、日本語の表現にとらわれず、何が言いたいのかを的確にとらえ、それをフランス語として自然な表現に直せるよう日頃から練習しておきたい。独学では難しいので、可能ならば、いわゆる言語交換などを通して、フランス語話者にチェックしてもらうことが望ましい。

論述の問題は、毎年、「フランス語フランス文学において、関心を持っている分野、作家、作品、テーマについて自由に論述しなさい」という設問なので、研究したいテーマが決まっていれば、特別な対策は必要ないであろう。

疋田先生