問題構成は大問4問、そのうち主に問題1,2が物理、問題3,4が数学からの出題という形式であるが、まれに物理からの出題が3問になった年もある。全体の難易度としては標準である。
物理の出題傾向としては、力学と電磁気学からの出題で、主にそれぞれ1問ずつというパターンであるが、電磁気学から2問出題される場合もある。力学では、質点の力学や剛体の力学について問われ、電磁気学では電気回路や静電場について問われる。難易度はいずれも標準である。
力学の対策としては、主に質点の力学が問われるので、まずは高校での力学を理解し、大学初年度レベルの力学で、運動方程式を微分方程式として解くことに慣れるよう問題演習を行うとよい。また問題を解く際、結果を求めるだけで終わるのではなく、その結果がどういう物理現象に対応しているのかを考えることが重要である。加えて、大学の力学で登場する角運動量や剛体の力学についても学んでおく必要がある。
電磁気学の対策としては、まず電気回路の出題が多いので、電気回路の問題には習熟しておくことが必須である。特に交流回路や過渡現象など、時間依存性のある回路の問題が多く問われるので対策が必要である。回路以外には、電荷分布から電位や電場、静電エネルギーを求めさせるといった静電場に関する出題があるので、大学レベルの比較的簡単な静電場の問題は解けるようにしておくとよい。特に平面電荷分布、球内一様電荷分布、球殻電荷分布などの作る静電場については慣れていることが望ましい。また、電磁気学で登場する物理量とその単位は把握しておくとよいだろう。
数学の出題傾向としては、線形代数と微積分あるいは微分方程式からの出題で、主に線形代数から1問、微積分または微分方程式から1問というパターンである。線形代数ではベクトル、行列式、固有値・固有ベクトル、対角化、逆行列、連立1次方程式について、微積分では1変数関数の微積分についてそれぞれ問われ、難易度はいずれも標準的である。微分方程式では主に非斉次の線形微分方程式の出題で、またしばしば解が収束するための条件が問われる。まれに少し変形の必要な問題も出題されることがあり、難易度は標準より少し高い場合がある。
線形代数の対策としては、上に挙げたベクトル、行列式、固有値・固有ベクトル、対角化、逆行列、連立1次方程式などの基本的な問題が解けるようになれば問題ない。大学初年度レベルの問題演習を行うのがよい。
微積分の対策としては、標準的な1変数の微分・積分ができれば問題ない。高校3年レベルの微積分の計算がしっかりできることが重要である。
微分方程式の対策としては、まずは定数係数の二階線形微分方程式を、斉次の場合だけでなく非斉次の場合にも解けるようになることが必須である。その上で、もう少し難度の高い微分方程式にも少し手を付けてみると良いだろう。また、解が収束するための条件を問われることがあるので、過去問でいくつか解いて慣れておくとよい。
松本先生