■傾向
ドイツ語圏文化学科の問題は、ドイツ語および小論文の問題に解答する形式で、A4一、二ページ程度の分量です。問題の内容は、例年、問1では、A4三分の一程度のドイツ語の文章を和訳する問題です。問2では、いくつかの短いセンテンス(一文程度)を文法的に別の形式で言い換える問題です。問3では、4~5行程度の日本語の文章をドイツ語に訳すことが求められます。最後に、問4では、本学科に入学した場合、どのようなテーマのもとで勉強したいかを、自身の知識や情報と関連付けて論述する問題です。
■対策
ドイツ語圏文学科の編入試験では、ある程度専門的なレベルのドイツ語の文章を読解できる能力、ドイツ語の基本的な文法の知識、ドイツ文学・ドイツ語学の分野について知識・情報、ある程度の量の日本語の文章をわかりやすく構成できる論述力が問われます。
問1の独文和訳問題で題材となる文章は、「E-メール」「クリスマス」「スポーツ」などの一般的な話題が中心ですが、年によっては、「幸福度調査」などの少し専門的な内容がテーマとなることもあります。対策としては、基本的なドイツ語の文章を理解できる能力(文法やリーディングなど)とともに、ドイツ語圏の歴史的・日常的文化を学んでおくことが有用です。たとえば、ドイツの食文化やクリスマスの伝統などを事前に調べておきましょう。また、日常的なドイツ語の文章(雑誌・新聞・ウェブサイトなど)を読み、日本語で表現できるように対策しておきましょう。
問2では、基本的な文法の知識が問われます。専門的な知識が問われることはありませんが、「受動態」「関係代名詞」「接続法」などを含めた文法事項の知識をまんべんなく身につけておきましょう。
問3のドイツ語訳の問題では、簡明な日本語の文章をドイツ語に書き直すことが求められます。日常的な話題を題材としており、友人宛にメール書く(もしくは、返信する)という形式が多く採用されています。そのため、複雑な文章を書く必要はありませんが、ドイツ語で自然な文章を記述できる能力が問われるので、ドイツ語で日常的な内容を表現する習慣をつけましょう。
問4では、自身が関心を持つテーマの基礎理解と、それを踏まえ自身の意見を述べる論理力が必要です。したがって、対策としては、ドイツ文学・ドイツ語学についての概説書を読み、その内容をまとめることを通じて、自身のテーマについての理解を深めておきましょう。さらに、各分野(ドイツ文学、ドイツ語学、もしくはドイツ語教育など)に関する重要概念を簡潔にまとめることができるように対策しておきましょう。
大喜先生