埼玉大学教養学部3年次編入学/転学部 哲学歴史専修課程 傾向と対策

投稿者: | 2015 年 11 月 14 日

■傾向
教養学部哲学歴史専修課程では、「哲学」「言語学」「芸術論」「歴史学」の4分野の中から、一つの分野を選択し問題を解答することになります。問題の形式は、「哲学」「言語学」「芸術論」の3分野ではほぼ共通しており、A4一ページ程度の英文を読み、その英文に関する問いが出題されます。問題の内容は、それぞれ、「哲学」「言語学」では、(1) 英文の該当箇所の和訳問題、(2) 英文の該当箇所の重要概念について解説する問題、(3) 英文の結論に対して、自身の見解の記述を求める問題です。「芸術論」では、(1) 英文を全訳する問題です。「歴史学」では、(1) 自身が進めたい研究を先行研究との関連から論じる問題、(2) 歴史学分野のキーワードを説明する問題です。
哲学歴史専修課程の編入試験では、学術的なレベルの英文を読解できる能力、重要な概念を明解に説明できる論理的能力、それぞれの分野の専門的知識、ある程度の量の文章を構成できる論述力が問われます。

■対策
埼玉大学教養学部の3年次編入学試験では、全分野の試験問題を通じて、専門分野についての基礎的な知識が前提とされています。それゆえ、それぞれの分野の重要概念を分かりやすく説明できるようにしておきましょう。加えて、題材となる問題文は英文である場合が多いため、ある程度の水準の学術的な英語文章を読解できる能力を養っておく必要があります。
「哲学」の分野の志望者は、問題文を精確に理解する能力を身に付けておくこととともに、哲学的な問いに対して、自分なりの意見を備えておかなければなりません。たとえば、「道徳」や「自由」などの哲学的な諸問題について日常的に考えたり、そのための知識を増やしたりしておきましょう。「言語学」でも、問題文の内容を十分に把握できる能力だけでなく、言語学分野の思想史的な流れも理解しておく必要があります。そのため、大学初等レベルの言語学の入門書を読み、言語学の各分野(音韻論・統語論・意味論など)の議論の要点を確認しておきましょう。「芸術論」の分野では、英文読解能力を磨くとともに、芸術学・美術史に関する専門的な用語の理解を深めておきましょう。「歴史学」では、自身が関心を持つテーマの基礎理解と、それを踏まえ自身の意見を述べる論理力が必要です。したがって、対策としては、歴史学についての概説書を読み、その内容をまとめることを通じて、自身のテーマについての理解を深めておきましょう。さらに、歴史学の各分野(日本史・東洋史・西洋史・考古学など)に関する重要概念を簡潔にまとめることができるように対策しておきましょう。

大喜先生