上智大学神学部 編入学 傾向と対策

投稿者: | 2014 年 11 月 21 日

語学編

【英語】
昔は英語の長文を全訳する問題が出題されていたが、今は語句説明の問題や下線部を英文和訳する問題が出題されている。最近の傾向としては、長文中、一題は英訳聖書から出題されている。他の長文も、ローマ教皇の回勅やカトリックの聖書学の書籍などから出題されている。過去には第二ヴァチカン公会議に関する文章が出題されたこともあり、基本的に聖書やカトリック教会に関係する長文が出題されていると言ってよいであろう。
対策としては、むろん、基本的な語彙と文法の知識および英文和訳の訓練は必須であるが、上智大学神学部に関しては特に以下のような特徴が指摘できる。第一に、教皇の回勅をはじめとするカトリック教会に関係する長文が多く出題されていることから、予めそうした文書に英語で目を通しておくと良い。用語のみならず、内容も理解できれば、早くかつ正確に訳す上で大いに役立つからである。事前に英語でチェックしておけば、英語の神学用語になれることもできるので、試験本番では優位となるだろう。他にキリスト教思想史の参考書としては、Alister E. McGrath の“Christian Theology: An Introduction”を挙げられる。これは英米圏のプロテスタントの神学部で使用されている教科書であるが、癖のない平明な英語で書かれており、また第5版ではカトリック教会にも一定のページが割かれているため、神学の用語、内容、歴史について一通りの知識を得ることができる。なお、翻訳としてはアリスター・E. マクグラス著『キリスト教神学入門』神代真砂実訳が出版されているが、訳文の質が悪く、英語の勉強としては参考程度にとどめておくのが無難であろう。第二に、最近の傾向の対策として、普段から新約聖書の文言に慣れ親しんでおくことが必要である。試験中に長文が聖書のどこからの引用であるかが分かれば、大いに有利となる。できれば、英訳聖書にもなじんでおくのが望ましい。英語の聖書は複数存在するが、解りやすい現代英語に訳されているもので十分であろう。参考までに述べておくと、過去に出題された聖書はNew American Standard BibleとThe New American Bibleとである。
以上を踏まえた上で、英文和訳の勉強していくのが良い。先生の誰かに添削してもらうとなお良いであろう。

【ドイツ語】
ドイツ語の過去問は英語と比較するとそんなに多くないが、傾向としてはいくつかの長文が出され、和訳をさせる問題が出題されている。内容は聖書からの引用と聖書学の文章が多い。基本的には英語と同じく、聖書やカトリック教会に関係する長文が出題されていると言ってよいであろう。
対策としては、ドイツ語自体のレヴェルはそんなに高くないので、ドイツ語文法を一通り習得した後、普段から大量のドイツ語の文章を読み慣れておくとよい。語彙の対策としては、内容が聖書やキリスト教思想に関するものであることがほとんどなので、英語の場合と同じく、ドイツ語で聖書や神学論文を読み、ドイツ語の神学用語に慣れておくのが一番であろう。教皇の回勅などを読むのもよい。ドイツの古典的な学者はドイツ語が難解なので、現代の著者の著作を読むことをお勧めする。和訳も普段から訓練しておく必要がある。神学書や神学論文をページごとに全訳し、授業などを通して他人に添削してもらうと、なおよいであろう。

渡部先生