神戸大学理学部生物学科第三年次編入学者選抜試験 小論文 傾向と対策

投稿者: | 2014 年 11 月 13 日

[出題形式]
例年、2題の大問が出題される。
穴埋めや選択問題は少なく、生物学の基本的な用語の説明や、現象に対する生物学的意義の論述を求める問題が多い。

[出題範囲]
高校生物内容+αである。+αに関しては、大学の指定教科書として多く採用される『Essential細胞生物学』を読み込んでいれば、問題なく対処できるだろう。

[頻出分野]
H17-H26年度の過去10年間における最頻出分野は『進化』であった(H18-II, H19-II, H22-2, H24-1-II, H24-2-II, H25-2)。次いで、DNA複製や転写、mRNAプロセシング、翻訳、クロマチン構造といった『遺伝情報の維持と利用』に関する出題が多い(H19-I, H21-2, H23-1, H26-1)。そして、『エネルギー代謝』(H18-I, H21-1, H25-1)、『生体膜』(H19-I, H22-1)と続く。その他、『光受容』(H20-1)や『細胞内構造』(H20-2)、『生態』(H23-2)、『ホルモン』(H24-1-I)、『発生』(H24-2-I)といった分野が出題された。
毎年、『進化』か『遺伝情報の維持や利用』に関する出題が1問は見られる。これは、生物が遺伝情報をどのように保持、使用してきたか(遺伝情報の維持や利用)、また、その情報が生物史の中でどのように変化してきたか(進化)に興味を持ち、理解した学生を欲する大学側の意図の表れであろう。特に重点的に学習しておくことが望ましい分野である。
『光受容』や『細胞内構造』、『生態』、『ホルモン』、『発生』などは単年での出題となっている。このことから今後も、これまで出題されたことのない分野から、突然出題される恐れは十分に考えられる。頻出分野以外の分野もしっかりと勉強しておく必要がある。ただし、これら頻出分野以外の分野からの出題は、基本的に高校生物内容からであった。高校教科書や以下に挙げた参考書をしっかり読み込み、問題集をやりこなせば問題ないはずである。

[お薦めの参考書及び問題集]
高校生物内容:生物I合格39講(田部眞哉著)、生物II合格33講(田部眞哉著)、駿台受験シリーズ 理系標準問題集(大森徹著)
高校生物+α内容:Essential細胞生物学

宮路先生