同志社大学 神学部 編入学試験 傾向と対策2

投稿者: | 2014 年 9 月 23 日

【全体】
試験は毎年、英語、小論文、口述試験となっている。ここでは小論文について取り上げる。

【小論文】
小論文は毎年、二題が出題される傾向にある。一題は聖書からの引用が提示され、その聖書の言葉に関する解答者の考えを記述する問題であり、もう一題はさまざまな観点から宗教やキリスト教を主題として回答者の考えを述べる問題である。
まずは最初の聖書の引用を解釈する問題について扱う。この問題では自分の考えを述べよとはあるが、まずは指定された聖書の箇所の解釈を行わなくてはならない。つまり、該当する聖書の言葉が何を言っているかを把握する必要がある。そのためにも普段から聖書に慣れ親しんでおく必要がある。特に、聖書の各書がどのような人物によってどのような時代背景のなかでどのような思想でもって書かれたのかといった聖書学的な知識を把握しておくと、試験本番の際には大いに有利となるだろう。次に、自分が把握した聖書の主張に対して、それをふまえた上で、自分の意見を述べなくてはならない。おそらく、その聖書で示されている考えに対して、自力で問題点を見出し、自分の意見をできるだけ論理的に述べるのが最も容易であろう。普段から、神学やキリスト教史、現代の宗教やキリスト教が置かれている状況や現代の政治経済の問題について馴染んでおくと、論述の主題を見つけやすいであろう。
次に、さまざまな観点から宗教やキリスト教を主題としている問題の方を扱う。これは、宗教と政治(2014年度)、信教の自由(2013年度)、宗教信仰の定義(2012年度)、学問的な宗教研究の意義(2011年度)、社会と宗教(2010年度)、宗教的な救済の定義(2009年度)、日本人の宗教意識(2008年度)、宗教と戦争(2007年度)など、年度毎にさまざまな問題が出題されており、テーマを予測することがむずかしい問題である。特徴として問題文が抽象的かつ漠然としていて、何を書けばよいのかが分かりにくいことが挙げられる。各自が持っているキリスト教史やキリスト教思想史の知識からのなかから類似した問題を想起して、その問題に対する自分の意見を述べるしかないであろう。その意味では、回答者がどれだけのキリスト教思想史やキリスト教史の知識と素養を有しているかが問われる問題である。上述したマクグラスの著作等を通して神学の知識を身につけ、同時に小論文の実際の演習を通して身につけた知識を応用する能力を習得するのが良い。先生に添削してもらうとなお良いであろう。